ハンガーストライキ やまごもりの理由がライバル由来だったらいいなって妄想の話。 そのうち漫画になる。 続きを読む 彼がチャンピオンにこだわる理由が、ぼくにはちっともわからなかった。 あんな誰も来ない場所でずっと一人で待っているのの何が楽しいんだろうか。 そんなものなんかより、外に出てまだ捕まえていないポケモンを探す方が楽しいよと、そう伝えたいだけなのに、彼は一向に聞こうともしない。 話を聞いてもらうために今日も勝負に勝つ。彼は聞く耳も持たず走り去る。 これの繰り返し。 このやりとりを両手じゃ数えきれないくらい繰り返したころには、四天王のみんなにもまた来たかって少し迷惑そうに言われるようになってしまった。 おそらくぼくの前に挑んでいる彼も言われている。 ぼくが諦めるか、彼が諦めるか。もはやチャンピオンの座をかけての勝負ではなくなりかけた、そんなある日。 いつものようにリーグに行き、チャンピオンの間まで足を進めると、いつもならそこにいるはずの彼がその場にいなかった。 どういうこと?とあたりを見回していると、自分の後ろ―四天王の間の方から、カツカツと足音が響いてくる。 珍しく今日はぼくが先に来たのかなと、後ろを振り返ると、こちらに歩いてきていたのはドラゴン使いのワタルだった。 なぜここに?と目で訴えると、その場で足を止める。 そのあと、少しためらいがちに告げられた言葉に、僕は耳を疑った。 彼はここには来ない。この先もずっと来ない。 ――これを聞いた時、ぼくは勝ったと思った。 しつこくチャンピオンになるのを邪魔していたのが効いたのだろう。 自分のやっていたことは無駄じゃなかった。 そうやって、ようやく得た勝利をどう祝おうか考え始めたとき、爆弾が投げ込まれた。 彼はトキワのジムリーダーになるので、もうここには来ない。 ――どうしてそんなに不自由になりたがるのか? ぼくはその理由を聞くために、急いで彼の家へと向かった。 お姉さんに部屋に通してもらうと、彼は部屋でなにやら忙しそうにしていた。 聞くと、ジムリーダーになるための準備で忙しいらしい。 意味が分からなかった。 ジムリーダーのやつ、手加減して勝負して何が楽しいんだろうなとぼくに言ったあの言葉はなんだったのか。 そう問い詰めると、お前にはわかんねえよなと、彼はごく当たり前みたいな顔をしてつぶやいた。 一番言われたくない言葉だった。そっくりそのまま返してやりたかった。 分かってないのはお前だろと、大声をあげてののしってやろうとした瞬間、彼の手元で電子音がなった。 彼は音がなっている機械―小型の電話を慣れた手つきで操作し、ぼくを無視して部屋を出て行った。 何かが音をたてて崩れた気がした。ぼくは部屋の窓からリザードンに乗って家を出て、風の任せるまま飛び続けた。 気づいたら雪山の上にいた。 彼がぼくを探すために、ジムリーダーをやめればいいと思った。 探している道中で、旅の楽しさを思い出せばいい。 そんな思いで始めた山籠もりだった。 そうやって彼を待ってどれくらいたっただろうか。 この極限の環境で、ぼくの手持ちたちは格段に強くなった。 たぶん今彼と戦ったら、回復もせずに余裕で2回は勝てるだろう。 なんなら3回でもいけるかもしれない。 脳裏に、悔しがる彼の顔が思い浮かぶ。 そうしたら、負けず嫌いの彼はきっと躍起になって、また戦いを挑んでくるだろう。 その時はまた、ぼくが彼に勝って、彼がまた挑んできて、ぼくがまた勝つ。 そうやって、ここなら永遠に勝負ができると思った。 場所は抑えた。あとは彼が来るのを待つだけだ。 雪の降り積もる山頂に立って、カントーを見渡す。 今日も彼は探しに来ない。畳む 2026.3.1(Sun) 06:48:59 プロット edit メモ(34)らくがき(9)イラスト(24)漫画(5)プロット(7)MP3(1)怪文書(8)隔離(11)なし グッズ(14) 感想(13) ぽこあ(7) FRLG(6) 妄想(5) オリジン(5) SM(5) HGSS(5) 本(4) パロディ(4) モデリング(3) アプリ(3) サントラ(3) サイト改修(2) RGBP(2) 進捗(2) プレイログ(2) 姉弟(2) アニメ(2) リモポケ学会(1) ネタバレ(1) 名探偵ピカチュウ(1) 2026年(89)2026年07月(2) 2026年06月(20) 2026年05月(11) 2026年04月(9) 2026年03月(13) 2026年02月(16) 2026年01月(18) 2025年(42)2025年12月(15) 2025年11月(26) 2025年03月(1) rss_feed
ハンガーストライキ
やまごもりの理由がライバル由来だったらいいなって妄想の話。
そのうち漫画になる。
彼がチャンピオンにこだわる理由が、ぼくにはちっともわからなかった。
あんな誰も来ない場所でずっと一人で待っているのの何が楽しいんだろうか。
そんなものなんかより、外に出てまだ捕まえていないポケモンを探す方が楽しいよと、そう伝えたいだけなのに、彼は一向に聞こうともしない。
話を聞いてもらうために今日も勝負に勝つ。彼は聞く耳も持たず走り去る。
これの繰り返し。
このやりとりを両手じゃ数えきれないくらい繰り返したころには、四天王のみんなにもまた来たかって少し迷惑そうに言われるようになってしまった。
おそらくぼくの前に挑んでいる彼も言われている。
ぼくが諦めるか、彼が諦めるか。もはやチャンピオンの座をかけての勝負ではなくなりかけた、そんなある日。
いつものようにリーグに行き、チャンピオンの間まで足を進めると、いつもならそこにいるはずの彼がその場にいなかった。
どういうこと?とあたりを見回していると、自分の後ろ―四天王の間の方から、カツカツと足音が響いてくる。
珍しく今日はぼくが先に来たのかなと、後ろを振り返ると、こちらに歩いてきていたのはドラゴン使いのワタルだった。
なぜここに?と目で訴えると、その場で足を止める。
そのあと、少しためらいがちに告げられた言葉に、僕は耳を疑った。
彼はここには来ない。この先もずっと来ない。
――これを聞いた時、ぼくは勝ったと思った。
しつこくチャンピオンになるのを邪魔していたのが効いたのだろう。
自分のやっていたことは無駄じゃなかった。
そうやって、ようやく得た勝利をどう祝おうか考え始めたとき、爆弾が投げ込まれた。
彼はトキワのジムリーダーになるので、もうここには来ない。
――どうしてそんなに不自由になりたがるのか?
ぼくはその理由を聞くために、急いで彼の家へと向かった。
お姉さんに部屋に通してもらうと、彼は部屋でなにやら忙しそうにしていた。
聞くと、ジムリーダーになるための準備で忙しいらしい。
意味が分からなかった。
ジムリーダーのやつ、手加減して勝負して何が楽しいんだろうなとぼくに言ったあの言葉はなんだったのか。
そう問い詰めると、お前にはわかんねえよなと、彼はごく当たり前みたいな顔をしてつぶやいた。
一番言われたくない言葉だった。そっくりそのまま返してやりたかった。
分かってないのはお前だろと、大声をあげてののしってやろうとした瞬間、彼の手元で電子音がなった。
彼は音がなっている機械―小型の電話を慣れた手つきで操作し、ぼくを無視して部屋を出て行った。
何かが音をたてて崩れた気がした。ぼくは部屋の窓からリザードンに乗って家を出て、風の任せるまま飛び続けた。
気づいたら雪山の上にいた。
彼がぼくを探すために、ジムリーダーをやめればいいと思った。
探している道中で、旅の楽しさを思い出せばいい。
そんな思いで始めた山籠もりだった。
そうやって彼を待ってどれくらいたっただろうか。
この極限の環境で、ぼくの手持ちたちは格段に強くなった。
たぶん今彼と戦ったら、回復もせずに余裕で2回は勝てるだろう。
なんなら3回でもいけるかもしれない。
脳裏に、悔しがる彼の顔が思い浮かぶ。
そうしたら、負けず嫌いの彼はきっと躍起になって、また戦いを挑んでくるだろう。
その時はまた、ぼくが彼に勝って、彼がまた挑んできて、ぼくがまた勝つ。
そうやって、ここなら永遠に勝負ができると思った。
場所は抑えた。あとは彼が来るのを待つだけだ。
雪の降り積もる山頂に立って、カントーを見渡す。
今日も彼は探しに来ない。畳む